☆異年齢保育(3.4.5歳児)
家庭から初めての集団生活に一歩を踏み出した子どもたちは、保育士等というお母さんやお父さんと同じように自分に愛情を注いでくれる「人」に出会い、信頼関係と愛着を感じるからこそ、多くの人や社会へと繋がります。保育士等との愛着関係をもとに、乳児期から幼児期へと成長するにつれ、興味深くまわりを見て、子ども同士で学び合いながら自分の世界を同年齢から異年齢の子や、色々な大人たち、自分たちの生活などから遊びや文化の違いをとおして仲間と繋がっていきます。
異年齢保育では、年齢の違う子どもたち同士の関わりが影響・作用が非常に大きく、年齢別保育とは違った条件のもとで保育することになります。異年齢編成のクラスを基本としている場合、異年齢の子どもたちが毎日寝食を共にし、一緒に生活することによって、違った年齢の友だちのことを知り、お互いのことがわかってきます。食べ物の好き嫌いや、好きなあそびは何か、寝起きが悪い子は誰で、どのように声をかけるとよいかは、一人ひとりの性格などを、子どもたちはよく知っていて、臨時に保育に入る保育者に教えてくれたりします。異年齢保育は、違った年齢の子どもたちがいつも一緒に遊び、同じ時間に同じように生活するということではありません。必ずしも一緒に同じことをしていなくても、目の前に年齢差のある友だちがいることによって、憧れや意欲がかきたてられたり、刺激されたり、安心できたりします。そして、同年齢だけではつくりにくいような関係も結ばれていきます。また、家庭では、きょうだいの順番は変わりようがなく、年齢別保育のなかでは、3月生まれは毎年その学年では一番遅い生まれになるわけですが、異年齢保育においては、どの子も年上、年下と立場の違いを体験できます。このような立場の違いが、小さい子をかわいがったり、リーダー性を発揮したりという行為を引き出しやすくします。年齢別保育では、そのような行為ができないということではなく、異年齢保育では条件的にそれがより行いやすい環境にあるということです。異年齢のお部屋は、家庭的で、穏やかな空気が流れています。年少の子どもたちは初めての幼児での経験を、年長児たちが優しく見守り、助けてくれています。
また、同年齢の子どもたちとの行事を通しての関わりもあります。異年齢での子ども同士での関わりとは違った仲間意識が高まり、2クラスの交流も深まっていきます。